315. 兎と亀のシエスタ




兎と亀のシエスタ

 

 

 

 

 

 

 

僕の夢は、君とシエスタすることだよ。

彼は彼女に言った。

彼女は、じゃあもう、夢は叶ったのね….

僕はそのためにお金持ちになって有名になって成功するんだ。

彼は、それから猛然と働いた。

会社をつくり、仲間をあつめ、競争し、買収し、

寝る間もなく、1日も休まず働いた。

家族と触れ合うこともなく、何十年も働いた。

そして、お金持ちで有名な大会社の社長になった。

ぼくの夢は君とシエスタすることだよ…。

家庭もかえりみず働いた彼のそばには、彼女も家族も

いなかった。

ぼくの夢は君とシエスタすることだよ…。

本当は、目の前にあった幸せの話。

 

 

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